ピラティスの大疑問をドクターに聞く

ピラティスの大疑問をドクターに聞く

ピラティスについて知ろうとしていくと、そのすばらしさを様々に表現している文章に出会います。年齢性別問わず誰にでもできる、といった手軽さやリフレッシュ効果、肩こりや腰痛が緩和したといったもの。また、スポーツ選手の身体能力の向上など、あまりにも幅広いためにピラティスが万能なエクササイズのようにも思えてしまいます。どこまでが本当なのか、ピラティスをどういうものと考えた方がよいか。こんな漠然とした疑問を抱えながら、ピラティス指導者であり医師でもある武田淳也先生を訊ねました。

福岡県にあるプレフィット(武田スポーツ・栄養クリニック)は、全国でも珍しい医療施設併設のピラティススタジオです。院長の武田先生は内科、整形外科医でありスポーツ医療の専門家で、なおかつ日本で唯一人ポールスターピラティスのリハビリ指導者認定を持つ指導者でもあります。
診察室の隣にピラティスのスタジオスペースがあり、木製のリフォーマーやキャデラックなどのマシーンが違和感なく置かれていました。


ピラティスは万能のエクササイズなのか

複数の専門分野に精通する武田先生は、幻想を持たせるようなピラティスの紹介の仕方に対し、

「例えばある人が慢性の腰痛を抱えており、様々な民間療法を試してみたが効き目がなく、そんなときに腰痛にも良いらしいというピラティスを知ってしまうとします。その人はピラティスを信じてレッスンに通い続けるが思ったほど緩和しなかった場合、当初の幻想が大きい分、落胆は大きいものになってしまいます。

場合によってはその人に必要なのはピラティスではなく、別の治療なのではないか、といったことまでアドバイスしてあげるべきかもしれません。また、そういう判断ができなければいけないと思います」

と、意見を述べられました。

ピラティスにはPMAというピラティスの教育基準を定めた非営利団体があり、その教科書の倫理基準の第一項には「傷つけるな」ということばが書かれており、必要であれば医療的な処置を紹介しなさい、ということも書かれているとのこと。

ただ、医療現場でピラティスが有効な場合というのは実際にあり、ケガや故障に対し、患者さんの痛みが強いときでもリハビリが必要なときなどは、ピラティスを取り入れる場合があるとのことです。

「リハビリの中にピラティスを取り入れるということになりますが、ピラティス自体がリハビリ的であり、リハビリテーションの概念をピラティスが先取りしていたともいえます」と、先生。

また、スポーツでの身体能力向上の効果については、ゴルフ、テニス、野球など、スイング系の動作を伴うもので実際に効果が見られる場合が多いとのこと。要因はコア(体幹部)が鍛えられ回転が安定するからだそうです。

日本のピラティス事情について

1999年、スポーツ医学を学ぶためにアメリカへ単身留学した際、門をたたいたクリニックの医院長が、偶然にもポールスターピラティスの有力な指導者であったという縁からピラティスを知り、その後、自ら指導者資格を取得するまでになった武田先生。

当事から現在に至るまでのアメリカのピラティス事情をご覧になってきた先生は、このようなことを話されました。

アメリカのピラティス人口はここ数年間で急激に増え、現在完全に人々の間に定着した状態だとのこと。それだけの成長と広まりを見せながら、ウォールストリートジャーナルなど、全米有力紙でピラティスが取り上げられるときの話題は、急激な成長にインストラクターの供給が追いつかず、充分な教育がなされていない状態でレッスンを行うため、ケガや事故が後を絶たないということだそうです。

本来、体に良いはずのピラティスで、体を痛めてしまうのは悲しいことであり、アメリカでのブームがやや間隔を置いて入ってきている日本が、そのような状況になってしまうことを危惧されているようです。それは、単に無資格の指導者やごく短期間での指導者資格取得を批判するということではなく、ピラティスの有効性を正確に判断しながら医療に従事されている方としての真摯な問題意識だと感じました。

ピラティスとは、結局どのようなもの?

ピラティスとは、結局どのようなもの?
「レッスンが終わった後はなんだか活動的になっている」とピラティスの魅力を語るクライアントの方々。

様々な問題意識はあるものの、広く一般にも向けたピラティスレッスンを行うスタジオの経営者であり、ピラティスというエクササイズの実践者でもある先生は、結局、ピラティスとはどんなものだと考えた方がよいかという問いに対して、その魅力をふまえ、次のように答えられました。

「いろいろな健康に良い体操がありますが、やっていてそれ自体が楽しいというものはそんなにないと思うんです。その点ピラティスは、それをやっている時間が心地よく感じる、心と体に心地よい状態をつくることができる、という楽しさ、すばらしさがあります。それと、体の適切な使い方を覚えられるということ。こういったものがピラティスだと思います」。

診察室の隣のスタジオではグループレッスンが行われていましたが、レッスンを受けている方は、医師にも認められているエクササイズだという安心感も充分に感じているようでした。


取材協力先について

プレフィット(武田スポーツ・栄養クリニック)は医療クリニック併設のピラティススタジオであり、アメリカ、マイアミに本部を置き世界的なネットワークを持つポールスターピラティスの日本唯一のライセンスセンターです。

ポールスターピラティスは医療関係者の間で特に支持されており、その特徴を伺ったところ、メソッドの内容が医学的に整理できているという点をあげられました。例えば「スクリーニング」というクライアントの状態を判断する15の基準が設けられており、インストラクターはそれに基づいて、どのようなエクササイズが可能か否か判断して行い、その後クライアントがどのような状態になったか再評価をするという流れがあるとのこと。

また、アメリカの本部で認められたマスタートレーナーのみが世界各国での認定講習で教えるシステムを取っているため、教育の質が常に高いレベルで保たれているということです。

プレフィット(武田スポーツ・栄養クリニック)

プレフィット(武田スポーツ・栄養クリニック)

住所:福岡県福岡市中央区薬院1丁目5番地6号ハイヒルズビル1F
電話:092-716-5550
最寄り駅:西鉄薬院駅

http://www.clinicsn.com/


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